悪魔のZ

〜大脱走編〜





その日、”Zと愉快な仲間達”とのオフミがあった。

いつも通りに集まり、いつも通りに解散。帰宅するといつもの時間…。
AM/2:00は過ぎていたと記憶する。
帰宅し、Zを車庫に入れシャッターを2/3ほど閉める。


なぜ2/3??

少し話しがそれるが、説明すると、

Zを購入時、私は車庫証明だけは業者に任せず自分でやってみた。
諸経費を少しでも安くしたかったのも確かにあったが、
自分で一度チャレンジしてみたいという気持ちもあった。
やってみると簡単で、車庫内の寸法を計り申請用紙に簡単に書き込むだけ。
こんな事で2万円だ。皆さんにもオススメする。
しかし、私の場合若干の問題が発生。
車庫内寸法より車の全長のほうが10cmほど

でけえ。

焦りはしたが、家の敷地境界線はその先20cmであったためなんとかクリアした。
しかし、シャッターが最後まで下ろせないという、なんとも

締(閉)まらない 話しとなる。


オチが付いた所で話しを元にもどそう。

車を入れ、隣の自分の部屋に戻り一休み。
テレビなんかを見て、そろそろ寝ようかと思ったその時、

ガシャ…

ん?何やらシャッターの音がしたようだ。(風でも吹いたか?)


ガシャ!ガシャ!ガシャーーーー!!

うおぉぉぉーーー!?!?

何よ?いったい何なのよーーー!


状況が全く把握出来ない。頭はパニクルー。
時間は深夜2時をまわっている。こんな時間に考えられる事は1つ。



と、盗難ですか?



持ち主が部屋の電気付けてテレビ見ている真横で




盗難なのですか?




やばい、どうしよう。数人いてるかもしれない。
警察に電話か? いや、間に合わなそうだ。



…行くか



んでもって俺の手で…





殺(や)るか。




自分の部屋と車庫は壁1枚。直通の勝手口はあるがいきなり出ては危険だ。
ガクガク震え、引き気味の腰を落ち着かせ玄関へ向かう。
音を立てず、靴を履き、木製バットを握りしめ深呼吸。
落ち着く…と同時に怒りがこみ上げてくる。

(俺様のZをクソガキャーー)

腹を決め、そっと鍵を外し玄関をあけた。
まず、目に飛び込んできたのは


道路の真ん中まで飛び出したZ君を



目撃ドッキュん!



まだ犯人はガレージ内に残っているかもしれない。
バットを片手で引きずり斜め45°にハスに構え、近づきながら
出せる限り最も低くドスの利いた声を絞り出し


「ワレ〜コォラァァ〜何をさらしとんじゃ〜ぉお?」


この声にびびったか!?犯人はウンともスンとも言わない。
俺も調子が出てきたぞ〜〜〜


「だ〜れ〜の〜車や思とんねん、あぁん??」




こんな調子で車に近づくが人の気配が無い。
ガレージの中に入り辺りを見回しても誰もいない。

「チッ、逃げられたか。」

悔しいと思いつつ、ホッとした思いも沸き上がる。

とりあえず現状確認をする。
車体回り、下、鍵、何処も異常が無い。キーロックもされたまま。

???

一つ気づいたのは天井面に擦った傷と、フロントガラスにも当たった傷が。
どうやら犯人はシャッターを2/3閉めたまま車を出そうとしたらしい。

大胆不敵なヤツめ

天井の傷は消えそうになかったが、ガラスは拭けば元にもどった。
最小限の被害で済んだのは不幸中の幸いか。

しかし解せない。
一体、犯人はどうやって車を出したんだ??

ジッチャンの名にかけて、この謎は僕が解いてみせるよ!!
名(迷)探偵ゴルの出来上がり。



とりあえず、車を元に戻そう。

キーを捻りエンジンをかけ、ギアをバックに入れ、サイドブレーキを下ろ…



ブレーキを下ろ…



オロ?…



…下りてるやん。



分かったよジッチャン!!最初からサイドブレーキは引かれてなかっ…


(ドスッ)



ジ、ジッチャン…な…ぜ…(ガクッ)





雨水が入らない様に若干の傾斜が付いたガレージなのに、サイドブレーキを引いてなかった為、 ちょっとずつ車が前に進んでシャッターに当たった後、フロントガラスの傾斜がシャッター を押し上げ…
勝手に車が飛び出した。



なんて誤爆は決して許されない。



犯人は誰だ!?(汗)




早く出てこーーーい!(滝汗)

もう許してあげるから。












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