悪魔のZ

〜悪魔再降臨〜





事故したその週に早速ディーラーへ。 なんとか自走で持ち込み、営業マンに見積もり依頼。

読者の「お楽しみ」であるはずの事故時の画像がなくて申し訳ない。 これで想像を。











見積書2枚にビッシリと書き込まれた超大作。 合計金額に俺のサイフも死んだ振り。

車体105万の車にこの金額をブチ込むほど俺もバカじゃない。

「ごめんよZ…お前を救ってやれなくて…グスッ。」 涙ぐむそんな俺の片手には









中古車情報誌。









こんな俺こそ悪魔か。 否(いな)!! 悪いのは俺じゃない、悪いのは…俺のテク(ぼそっ)。

ベッドの上じゃテクニシャンで通った俺も、道路の上じゃ 「中の下」。

ここであえて言うまでもないが「早さ」じゃなく「巧さ」な。



一応、念のため、もしかしたら、あわよくば…と、嫁に金額を正直に報告。









(注:画像はあくまでイメージです)









「悲しみの湾岸線〜その後編」でお話したように、嫁からは



(旦那とZは)放置の方向で。



の方針に変更はないようで、修理については全くの無視。 そうかい、そうかい、そうきたかい。

あぁいいとも、このまま乗ってやるサ。 俺の意地とささやかな抵抗が今まさにコラボレーション。

そのままの状態で通勤はもちろん、買い物、パチンコ、ガンガン行く。 あまりにも目立ってしまい、日産から



「ゴルさんの車がパチンコ屋に放置されてますたよ!!」



とご連絡頂き、もう少しで通報される寸前だったり。 この状態のまま乗ってると、いつかは警察に止められて



「停止命令 → 職務質問 → 盗難車両検索 → 整備不良 → 減点」



は避けられない。 警察か嫁か、どちらに頭を下げるべきか悩む所だが、国家権力には逆らえない。

かといって、頭を下げた所で修理費用の満額回答を得られる訳がない。 そんなある日、友人より入電。



「近所の知り合いの人で板金屋がおるで。頼んでみよか??」



神降臨。 やっぱ持つべき物はお金じゃなく友だ。 ……………いや、金だ。

ともかく、その板金屋を紹介してもらいZを持ち込んで見積。



「こりゃ、売った方がエエ。」(ズバッ)



沈着冷静なプロの判断。 そ〜こ〜を〜な〜ん〜と〜かぁ〜(嘆願)

Zとの出会い、そしてこの車への思い入れを熱く、それは熱く語り、ダメ元で話してみる。

さすがは車にたずさわるお人。 この熱いZへの思い入れを理解してくれ、見積を引き受けてくれた。

さすれば次の段階へ。 板金屋「んじゃ、見積金額は出たら後日に…」



「30万円以内でおねがいします。」





「おながいします!!」





見積金額はこちらで指定。 だって無い袖は振れない。 見積の常識をくつがえす交渉術。

ようは、30万円の範囲で直して下さいって事。 かといってFバンパーが無いような状態で返却されても

困るわけで、「通常走行に支障が無い程度で。」 が、最低条件。 中古パーツ、不良パーツなんでも来い。

無理は承知なので、その代わりといってはなんだが、



現金ニコニコ一括払い
納車日は問わない
領収書は要らない
代車も要らない
全て中古部品でOK
外観からは見えない部分での仕上げで文句は言わない



以上の条件を私が飲むという形で、ムリムリ交渉成立。 とりあえずは一安心。

家に帰り、再度嫁と交渉。



「50万円越えの修理費が30万以下でOKやって!! 約半額やで、半額!!」



「半額か…まぁエエわ。 アンタの小遣い減らせばすむし、な。」



フッ、アフォめが。 女ってヤツは「半額」の言葉にもろい生き物なのサ。 知的レベルでの勝利で予算ゲット。

一応、話が前に進んだので一安心。 車は自宅まで後日引き取りに来てくれるとの事。

ん〜〜なんて親切な人だ。 約束の日、自宅前にて待つと向かってきたのは…









軽自動車。













嫌な予感。







いくら代車は要らないとはいえ、事故車両を運ぶのってレッカー車とか、積車とかだよ、、、ね?ね??

私の予定では、積車に積まれドナドナされていくZの後ろ姿をハンカチを握りしめ、、(以下省略)





社長と若いニーチャンが降りてきて、ニーチャンはそのまま軽で帰り、社長はZに乗車。














予感的中。









ありのままの姿で、すさまじい破壊音を奏でつつ、自走で修理工場へ向かうZの後ろ姿に、







本当に泣けてきた。






んでもって、















くれぐれも捕まるなよ、社長。







とか、オモタり。













時は経ち、Zの存在すら私の記憶の片隅から遠ざかり2ヶ月が経過したある日、、、



「出来ますた。」





キタ─────(省略)─────!!





会社の駐車場に持ってきてもらう約束をし、ジッとしていられず予定の15分前からスタンバイ。

交差点の奥から聞こえてくる聞き慣れた重低音 うっ、このサウンドは!!

熱く見つめる視線の先から、メカニカルなシルバーに輝く日本…いや、世界一カックイイ車体が姿を現す。

この生臭い排気臭、剥がれかけたリアエンブレム、間違いなく俺のぜっとぉぉぉぉ────!!

修理代の¥289,201−を現金で支払い、サッサとお引き取り願う。

周りに人が居ない事を確認し、抱きしめて頬ずり。 会いたかったよ〜〜

当然、その日は仕事にならず、ワクワク・ソワソワしっぱなし。

仕事が終わって早速Zに乗って無事帰りましたとさ、チャンチャン。























…んな訳ないやろ。









…悪魔のZをなめんな。

















── Webmasterより重要なお知らせ ───

ここから先は大変危険な画像が含まれています。

心臓の弱い方、又、Zに乗って居られる方は、

モニターから1m離れてご覧下さい。

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だてに「悪魔のZ」の看板はしょってないって事。



仕事を早めに切り上げて駐車場へ。 相変わらずワイド&ローの車体が美しい。







おや??







元来、ワイドボディには違いないが、前から眺めると妙な違和感と…そして胸騒ぎ。

近づいてよく見ると、いや、そんなに近づかなくて見ても、









ライトとセンターガーニッシュとの隙間が











広くなってないか?





ついに完成。











ワイドボディ。





ワイド&ローの 「ワイド」 部分を強調。 ノーマルとの違いを見せつける。

フェンダーの叩き出しや、ブリスターフェンダーでの自己主張はもう古い。



あくまでもノーマルデザインにこだわり、自然に…そしてナチュラルに、

















「隙間を広げてワイドボディ」











これで今年の夏は勝ち組。







ワイドボディに成功したら、次に求めるものは??





そう、ショートボディ。

ボディを広げ、さらにショート化すれば、車のコーナリング性能は格段にUPする。

それならば「2シーター」をオススメする所だが、たまには4人乗せたい時もあるだろうし、

ちょっとした荷物を乗せる時は「2by2」の方が使い勝手はイイ。

「2by2でショートボディ」そんなわがままを言う、お嘆きの貴兄にはコレ。











Fバンパーとタイヤの隙間を

















極限まで縮める。











但し、素人にはオススメ出来ない。















ハンドル切ったら擦るから。









もう、ボディへのチューニングはこれぐらいにしよう。 これ以上は…アレだ。

カッコイイボディに仕上がったら最後のステップ。 エクステリアに注目しよう。

ステッカー? リアウイング? ボンネットダクト? ノンノン!!

分かる人には分かる、知る人ぞ知る。 そんな大人のチューニングを目指す。













一見、なんてことはないフェアレディーZのエンブレム







でもよーく見ると















「 乙 」













フェアレディー、、、



























乙 【o:tu】










コレ最強。













ハイ、乙かれ様でした。



(つづく…)